IBMがサンフランシスコで開催したイベントにて、人間とAIがディベートを行う「Project Debater」というシステムを公開しました。Project Debaterのゴールは「ディベートの標準的なルールにのっとり、人間にレスポンスを行うこと」であり、事前準備なしで議題が提示された時に、相手のスピーチから議題を理解し膨大な情報収集によって会話を成立させる様子がムービーで公開されています。
実際にイベントに参加したDieter Bohn氏は「非常に印象的だった」という感想を述べています。システムのデータバンクは約100分野にわたる何億という論文が蓄積しており、ディベートが始まると数分間データを調べる時間が取られますが、その後に議論の要点について短いスピーチを話し出すとのこと。
この要点は、明瞭なものもあれば何かの引用や、明かに「記事から抜き出してきた」ということがわかるものもあったそうです。
特にBohn氏が驚いたのはAIが「ほぼリアルタイムで」人間のディベーターと反対の立場に立って議論を行えていたことで、これまでは懐疑的だった「AIが仕事を奪う可能性」について初めて心配したといいます。